お気に召すまま、、、、

ガチが縦横無尽に書け回る、寄り道、脇道、荒ぶる道。人生の道、あらゆる感情や記憶を記録する。それが、明日を謳歌する種となる。人の心に咲き誇る永遠の花となる……ために。

さずかりもの

先日は、川崎市アートセンター様で『のさりの島』を鑑賞しました。
その日は、山本起也監督のトークショーも聞くことが出来ました。

山本監督は、亡くなった原知佐子さんのことについても触れていました。
原さんは、百合ヶ丘に昔住んでいたようでその地で作品を観ることが出来たのは、
偶然と運命なのかもしれません。


『のさり』という意味には、『天の授かり物』という意味があるようで、
映画の中ではある男が熊本県天草市に迷い込む所から始まります。
実は、男はオレオレ詐欺のために忍び込んできたのです。
そこで出会ったお婆さんに間違われ、孫として暮らしていくことになる…
という話です。


監督は、『映画という嘘をどう表現したら本物になるのか』を考えながら撮影したと言っていました。
それは映画の中で描かれる男とお婆さんの関係に似ています。
その男を演じた藤原季節さんの演技が素晴らしかったです。彼の演技が原さんとの奇妙な距離を生み出し、
家族のような関係にしていたのは、確かです。人を引き出す演技が彼にあるからだと思います。
藤原さんに関してはもっと観たいです。
また、『映画内の時間』についても触れていました。
じっくりと描写をしていく、ゆったりとした時間で進んでいくのは仕掛けの一つとも語っていました。
天草の街並み、ラジオ局、人通りのない商店街、そこで静かに鳴るハーモニカの情熱の音。
ラジオ局のパーソナリティを演じた杉原亜実さんも良かったですね。いい声でした。


原さんは、『この完成した映画を観ないで亡くなってしまったようで悲しいと言いますか、悔しいです。』
と言っておりました。
偶然の出会いなのかもしれません。この映画を観て暖かくなりました。

追記として…ロビーにいた監督に質問しましたが、マネージャーの方に止められてしまいました。
もっと聞きたいことがありましたが、いい思い出です。